超効率的な過去問のサバキかた

過去問から見た公務員試験と大学入試との違い

公務員試験でも、大学入試でも、その対策において「過去問集」が非常に重要なのは同じです。ただ、公務員試験の過去問集と大学入試の過去問集では、その「編集方針」に違いがあります。

まず、大学入試の過去問集というのは、有名な「赤本」に代表されるように「大学別」になっているのが一般的で、各年度ごとに入試問題がそのまま再現されています。したがって、難易度の高低や出題頻度の多寡にかかわらず、文字通り「ピンからキリまでの全問題」が掲載されています。

一方、公務員試験の過去問集は、「スー過去」などのように「科目別」が一般的です。それぞれの科目の過去数年分の問題が集められ、その中から「出題されやすく重要性も高い問題」が選ばれて掲載されているのです。

この「編集方針」の違いに注目すると、公務員試験において過去問集をどのようにサバくのがベストかが見えてきます。

過去問集の具体的な使い方

前述の通り、公務員試験の過去問集では、掲載問題があらかじめ「セレクトされている」のですから、原則として全ての問題を対象に何度も繰り返す必要があります。過去問集によっては、難易度や出題頻度でランクづけされていることもありますが、気にせず全問制覇するつもりで取り組んでください。

何度も繰り返す必要があるなら、ランクづけを無視して全問やると時間が足りないと思うかもしれません。しかし、以下の方法を徹底できれば心配いりません。全問マスターすることは十分可能です。

さて、具体的な方法をご紹介する前に、重要な指針をお伝えします。それは、

「正解した問題は二度とやらない」

ということです。

え?それで大丈夫なの?

という心の声が聞こえてきそうですが、まずは以下の方法を読んでみてください。

(1)「正解マーク」を付ける
どの科目でも、過去問を1回目(1周目)にやるときには、とにかく全問解いてください。1問解いて解説を確認し、その問題ができていた場合には「正解マーク」を付けてください。
マークの仕方には特に決まりはありません。マーカーでも鉛筆でも赤ペンでも、自分がわかりやすい印であればなんでも結構です。しかし、絶対にダメなのは、マークをを付けないで解き進めることです。あとから正解不正解の区別がつかず、結果的に膨大な時間を浪費することになります。

(2)科目によって「正解マーク」の付け方を変える
一般教養や専門科目など、解答選択肢5本がすべて文章になっている科目については、「選択肢ごと」に正解マークをつけてください。つまり、選択肢レベルでの正解不正解を記録していくのです。問題番号や選択肢番号の付近に、自分が見やすい一定の形式でマークするとよいです。
一方、数的処理や経済学など、解答選択肢に数字が並んでいるだけの科目については、「問題ごと」に正解マークをつければ足ります。

(3)2回目(2周目)以降の解き方
いったん全問解いた過去問集の2回目(2周目)では、1回目に不正解だった問題のみ解いていきます。そして2回目に正解できた問題に「正解マーク」をつけていきます。同様に3回目(3周目)、4回目(4周目)と繰り返していきます。
このとき当然ながら、それぞれの回で解く問題数は、その前の回よりもだんだん減っていきます。また、すでに解いたことのある問題というのは、解くスビードも速くなる傾向があります。したがって、おなじ「1周」であっても、それにかかる時間は、回を追うごとにどんどん早くなっていくのです。
繰り返すタイミングは、その過去問集一冊を解き終わった直後ではなく、別の科目の過去問集も同じようにやり進めながら、一定の期間をおいて五月雨式にするのが効果的です。

(4)できない問題がなくなるまで繰り返す
最終的にはできない問題がなくなるまで繰り返すのが理想です。どうしても時間がないという場合は、9割できるようになるまでを目安にしてください。

2度とやらなくても大丈夫な理由

このような方法を徹底すれば、最大の効率で過去問集を制覇することができます。公務員試験は科目数も多く、まさに時間との戦いです。短い期間で多くの過去問集をこなし、できない問題を最小限に抑えて合格レベルに到達しなければなりません。

しかし、そうは言っても、

「一度正解したからといって、2度とやらないで大丈夫なの?」

と、さっきの心の声がささやいてきますよね。

でも大丈夫です。実は、1度正解できた問題というのは、2度目にやっても、3度目にやっても、非常に高い確率で正解できることが統計上明らかになっています。

ということは、正解できている問題を繰り返し解く勉強法は、(気分的に安心できるメリットはあるとしても)「時間の浪費」というリスクを負う確率が非常に高くなるのです。この「時間の浪費」こそ、いかなる受験においても最大のリスクであることは疑う余地がありません。

一方、正解できなかった問題というのは、2度目やっても、もしくは3度目になっても、また間違える可能性が高いのです。正解できなかったときに解説を読んだり調べたりしているはずなのに、です。

人間の誤った思考の流れを修正するのは、そうそう簡単なことではなく、何度も試行錯誤を繰り返す中で徐々に正されていくものなのです。

となると、何を優先させるべきかは一目瞭然です。

正解する確率が高い「すでに正解した問題」を繰り返すより、正解する確率の低い「まだ正解できていない問題」を繰り返すほうが、圧倒的に有効性が高く、結果的に総合点は高くなり、合格率が上昇することは明白です。

公務員試験の過去問集は、その「サバキかた」さえ間違わなければ、非常に力強い味方になってくれます。確実に合格レベルへと引き上げてくれます。ぜひ正しい方法で攻略してください。