ときどき、
「教養論文は読みやすい答案を書くことができれば合格できる」
といったな意見を目にします。しかし教養論文は、単なる「作文」の試験ではありません。行政官の採用試験として課されている以上、単に文章力があれば合格できる、といった甘いものではありません。
もちろん教養論文の答案としては、まず形式面して、
・誤字脱字がないように、可能な限り丁寧な字で書く
・適切に改行する
・必要に応じて段落ごとのタイトルを入れる
など、採点者が読みやすい答案であることが必須です。
また内容面として、
一般的な論理性や整合性が備わっており、論文として十分な構成である
ことも求められます。
しかし、これらのことを満たしているだけでは、近年、合格点を取ることは難しくなっています。
人口減少や急増する外国人、頻発する自然災害など、複合的な難問を抱える行政に取り組む人材を採用する必要のある今では、特に、
受験先の政策に関するしっかりした理解
が必要とされるようになってきているのです。
政策に対する理解が求められる
例えば、昨年実施された地方自治体の教養論文では、問題文中に
「◯◯(自治体名)はどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べよ」
とあったり、また別の自治体の教養論文では、
「県としてどのような施策を行っていくべきか述べよ]
とあります。
こういった問題文は、問題文で摘示している課題について、具体的な施策を書くことを求めています。その前提として、
(1)その時点で具体的にどのような施策を行っているのか(行っていないのか)
(2)進捗状況はどうなっているか
(3)その問題点はなにか
という知識が頭に入っていなければなりません。
志望先の自治体等に「本当」に関心があり、またそこで「本当」に公務員として住民のために働きたい、という強い想いがあれば、こういった知識をある程度知っているだろうことを、採用する側は受験生に対して当然に求められているのです。
このように、教養論文を「書く」ためには、各受験先の政策を知り、理解しておくことが不可欠です。まだまだ時間はあります。計画的に時間をつくってしっかり取り組んでいってください。