コロナはピンチ or チャンス?

2021年度の公務員試験の論文では、新型コロナに関する出題を予想している方も多いと思います。

 

実際に、2020年度の試験では、新型コロナに関するテーマが数多く出題されています。2020年から2021年にかけて、新型コロナのさらなるまん延とともに数多くの課題が明らかになってきていることを考えると、2021年度の公務員試験の論文で新型コロナの出題があるのは当然の成り行きでしょう。

 

そのため、当然に新型コロナに関する出題に備えておく必要があります。しかし、ただ単に用意した答案構成や解答例を書けば合格点が取れるわけではありません。

 

特に新型コロナに関しては、浮き彫りになった課題が多岐に渡るため、その方向性をしっかり整理しないと、採点官を納得させるような適切な解決策を書くことはかなり難しいからです。

 

では、どのような視点で新型コロナに関する問題に取り組めばよいのでしょうか。

 

最も重要なのは、

 

問題文が、

新型コロナのまん延を

「ピンチ」と捉えているか、

それとも「チャンス」と捉えているか

 

という視点です。

 

例として、2020年度の新潟県富山県の論文試験を比較してみましょう。


新潟県
 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食サービス業や宿泊業等をはじめとした幅広い業種において売上・利益が大幅に減少している。
 また、現在の状況が長引いた場合、本県の貴重な財産、魅力である文化・スポーツ団体等の存続も危ぶまれている。
 さらに、安全・安心な県民生活の確保に取り組む方々の活動を支えるとともに、将来に向けて、感染症を含む様々な危機に強い環境づくりも必要となっている。
 新型コロナウイルス感染症の影響下、社会・経済活動の活性化に向けて、県としてどのような取組を進めるべきか、あなたの考えを述べなさい。

 

富山県
 新型コロナウイルスの感染拡大を契機に東京一極集中の社会構造の問題が改めて明らかになるとともに、地方移住への関心が高まっていると言われています。こうした状況を踏まえ、今後、地方創生の実現に向けて、 県はどのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べなさい。

 

いかがでしょうか?

 

まず、新潟県の設問においては、新型コロナによって、「幅広い業種において売上・利益が大幅に減少している」「文化・スポーツ団体等の存続も危ぶまれている」

とあり、新型コロナによる悪影響が指摘されています。

その上で、「安全・安心な県民生活の確保・感染症を含む様々な危機に強い環境づくりの必要性」とあり、

 

新型コロナを「ピンチ」と捉え、それをどう払拭するか

 

が強調されています。つまり新潟県の問題では、新型コロナの問題を、防衛的・予防的観点から論じてほしいという出題者の意図があります。

 

一方、富山県の設問では、

「東京一極集中の社会構造の問題が改めて明らかになるとともに、地方移住への関心が高まっている」とあり、新型コロナを契機に、これまでの状況に転換が生まれていることを示唆しています。これは、

 

地方への移住をむしろ「チャンス」として捉え、どう活かすか

 

を積極的に論じてほしいという出題者の意図です。

 

このように、どちらも「新型コロナ」の出題でありながら、かたや「ピンチ」と捉えて書く論文になり、かたや「チャンス」と捉えて書く論文になります。

 

どちらの意図が正しいとか正しくないとか、そういうことではありません。

 

出題の趣旨が、新型コロナを「ピンチ」と捉えているのか「チャンス」と捉えているのか、問題文を読んでそれをしっかり把握できれば、現状分析→課題提起→解決策の「骨格」に、一本のしっかりとした軸が通ります。

 

そうすれば、なんの無理もなく、論文として非常に読みやすく、出題者の意図に沿った説得力のある答案になります。

 

論文試験で新型コロナが出題されたら、まずは問題を落ち着いて読み、それが「ピンチ」なのか「チャンス」なのか、問題文がどちらの趣旨で問いかけているのかを、冷静に読み取って答案を書き進めてください。