面接で必要なのは「聞かれたことに答える力」

面接対策に関しては、「何を話すか」とか「どう話すか」とか、「話す」ことに焦点が当たりがちです。でも面接では、「話す」ことよりも「聞く」ことの方が圧倒的に重要です。

例えば次のようなやり取り。

①面接官「なぜ◯◯市を志望したのですか?」

②受験生「魅力的な取り組みを行っていることが魅力に感じて志望しました」

③面接官「なぜ◯◯市の取り組みが魅力的だと感じたのですか?」

④受験生「待機児童対策や外国人観光客対策で魅力的な施策が多いと感じたからです」

⑤面接官「いや、そうじゃなくて、なぜ魅力的だと感じたか、を教えてもらえますか?」

問題なのは④です。③で面接官は、なぜ魅力的だと感じたのか?を聞いているので、回答としては、例えば魅力的だと思う個別的な施策を挙げて、その施策のどのような点を魅力的だと感じたのかを伝えるといった必要があります。そうであるのに、どこでもやっているような施策を一般論のレベルで挙げてしまっているのです。

こうなると、優しい面接官であれば、⑤のように聞き返してくれますが、そうでなかったり時間がなかったりすると、「いや、そういう回答を求めているわけじゃないんだけど」などと感じて、受験生に対してマイナスの印象を持ってしまいかねません。

上記のやりとりだと、面接官が求めている回答としては、

④受験生 「待機児童対策として行われている□□という施策は、行政に加えて地域の住民と時間をかけて丁寧に話し合いを重ねて相互に信頼を醸造するという、住民重視の姿勢を貫いて作り上げられた施策ですし、その施策によって去年に比べて大幅に待機児童を減らして住民からの評価も非常に高いということを知ったからです。」

といった内容になります。そうであれば、面接官も「ああ、そうですか」となり、特に違和感は持ちません。

面接官が何を知りたいのかを把握する

国会でのやりとりで有名になった「ご飯論法」にも注意が必要です。

「朝ご飯を食べましたか?」
「いや、寝坊したので食べてません」

でいいものを、

「朝ご飯を飯食べましたか?」
「ご飯は食べてませんけどパンなら食べました」

と答えるという「論点ずらし戦法」です。

面接官も人間です。人間は感情があります。論点をずらされると、優しい人ならもう一度聞いてくれますが、ちょっと気づく人なら、イラつきますし、面接であればマイナス評価につながる危険性が高くなります。

面接では、とかく「論理的に話すべきだ」といったことが言われますが、現実的には「論理性」などといった仰々しく高尚な能力は求められていません。

面接で求められていることは、

「聞かれた質問を正確にとらえて理解し」
「その質問に端的に答える」

ただそれだけです。

それは「論理性」という類のことではなく「分かりやすさ」といったレベルのこと。そのレベルが会話に備わっているだけで、面接官は受験生に違和感を持つことなく安心して会話を進めることができるのです。

面接は、自分の話したいことを話す場ではありませんし、聞かれてもいないことを自分のペースで話す場でもありません。

面接とは、面接官からの質問を聞いて、何を知りたいのかをしっかり把握し、それに対してダイレクトに答える場。そのことさえ常に頭に留めておけば、面接は怖くなくなりますよ!