2020年4月30日、令和2年度補正予算(第1号)が国会で成立しました。
これまでにも、試験日の1か月前に成立したばかりの一般会計予算が、時事問題として出題されたことは何度もありました。また、今年は1次試験の延期が多数となっているため、今回の補正予算が出題される可能性は十分にあります。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大や収束後に対処するため、今回の補正予算にはさまざまな経済対策が盛り込まれており、時事問題や論文試験、面接試験で問われやすいポイントが数多く含まれています。
ただし、財務省のHPで成立した補正予算のページを見ても、どこがどう出題されるのかは非常にわかりにくいのが実情です。
そこで、今回のブログでは、成立したばかりの「令和2年度補正予算(第1号)」について、試験対策としてのポイントを5分で読めるようにまとめました。このブログ記事が、「新型コロナウイルス感染症に対して行政がどのように取り組んでいるのか」を理解する一助となれば幸いです。
さて、まずは予算ですからその総額が第1のポイントです。今回の補正予算の額は、
25兆6914億円
となっており、補正予算としては過去最大の規模です。
そして、補正予算は4つのカテゴリーになっています。
(1)【雇用の維持と事業の継続】 19兆4905億円
中で最も注目されているのが、1人あたり10万円の給付金、すなわち
★全国全ての人々への新たな給付金 12兆8803億円
です。この給付金だけで、今回の補正予算の半分以上を占めています。
その他、以下のものも含まれます。
★中小・小規模事業者等の資金繰り対策 3兆8316億円
→各種金融機関等からの借り入れ時の優遇措置
★中小・小規模事業者等に対する新たな給付金 2兆3176億円
→最大200万円
★子育て世帯への臨時特別給付金 1654億円
→通常の児童手当とは別に児童1人当たり1万円
(2)【感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発】 1兆8097億円
この中には、以下のような「医療機関対策」としての予算が組まれています。
★ 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金 1,490億円
→PCR検査機器整備、病床・軽症者等受入れ施設の確保、人工呼吸器等の医療設備整備、応援医師の派遣への支援等
★医療機関等へのマスク等の優先配布 953億円
★人工呼吸器・マスク等の生産支援 117億円
その他、教育・福祉施設向け対策としての、
★幼稚園、小学校、介護施設等におけるマスク配布など感染拡大防止策〔792億円〕
ニュースでも大きく取り上げられた、
★全世帯への布製マ スクの配布 233億円
新型コロナの治療薬として海外からも注目されている、
★アビガンの確保 139億円
なども計上されています。
さらに、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに実施する事業に充当するための
も創設されていることは注意しておきましょう。
(3)【次の段階としての官民を上げた経済活動の回復】 1兆8482億円
観光や運輸、飲食、イベントに対する支援策として計上されています。
★“Go To”キャンペーン事業 1兆6794億円 など
(4)【強靱な経済構造の構築】 9172億円
今後も臨時休校時でもICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できるオンライン学習環境を整備するため、全国の小中高等に1人1台のPCや校内ネットワークを整備する以下の事業も行われます。
★GIGAスクール構想の加速による学びの保障 2292億円 など
以上、今回成立した補正予算のポイントをまとめました。更に詳細を知りたい方は、財務省HPをご覧ください。新型コロナウイルス感染症については、今後もその動向を注視し、随時情報を配信していきます。