なぜ職業として公務員を選ぶのか

公務員は、ある意味で特殊な職業です。
何が特殊かといえば、「法律上一定の権限を持っており、時には国民の権利や自由を制限することさえできる」というところです。この特殊性こそ、民間人と公務員とを分ける境界線といってもいいぐらいです。
しかし、そこをあまり意識しないで、一般の就活として「公務員になりたい」と思っている方もかなり多いような気がします。もちろん、就職という側面はあるのですから、それが間違いというわけではありません。
そうだとしても、あらためて「なぜ職業として公務員を選ぶのか」、とりわけ「なぜ民間人とは異なる公務員として働きたいのか」について深く考えることは、非常に意味のあることです。

公務員になろうと思ったきっかけは?

その問いにおぼろげながら答えが出たら、今度は「民間人ではない公務員」という視点ではなく、「自分はなぜ公務員になろうと思ったのか」という個人的な視点で考えてみましょう。つまり「公務員になろうとしたきっかけはなにか」ということです。
当然ながら、きっかけは人によってさまざまだと思います。小説やテレビドラマの主人公が公務員だったとか、家族や知り合いに公務員が多いとか、現実的に民間企業より安定してそうだとか、あるいは、愛着のある地域に貢献したいとか、大学で行政や法律について学んだとか……
まさに千差万別なわけですが、その「きっかけ」を考えるとき大切なのは、面接用に作られた「表向きのきっかけ」ではなく、自分に噓のない「本当のきっかけ」を真正面から思い出してみることです。誰に聞かせるわけでもないのですから、人に言えないようなきっかけでも、そのことを一度しっかり見つめることが大切です。

公務員として何をしたいか

では、公務員になったあと、いったい自分はなにをしたいのでしょうか。
一口に「公務員」といっても、省庁に務める国家公務員や都道府県・市役所の職員、自衛官や警察官、消防官、公立学校の教師、あるいは内閣総理大臣や国会議員、地方議会議員といった特別公務員まで、実に幅広く多岐に渡ります。
公務員として何をしたいかを考えるとき、「どんな公務員ならそれが可能か?」について、常に自分に問いかけることです。それが逆に、自分が何をしたいのかを、明確にしてくれることが少なくないのです。
たとえば、地元の観光を盛り上げたいと思って公務員を志望したとします。地元の県庁や市役所の職員なら地元に密着した仕事が可能でしょう。
しかし、観光は、旅行会社や鉄道会社、航空会社またホテル会社などが連携して可能になるイベントです。もしかすると、自分が本当にやりたい仕事は、それらの各業界を各省庁で監督しながら、日本全国に観光客をふやすことかもしれない。
同じ観光に関する仕事でも、それぞれの公務員はどのようなことをやっているのか、まだそもそも公務員は観光をどのように捉えて仕事をしているのか。そういったことを広く考えることで、自分にとって本当は何が魅力的な仕事なのかが、具体的に見えてくると思います。
こうした自分自身への問いかけは、何より勉強を継続するモチベーションを高めてくれます。さらに大切なことに、公務員として任官したあとの仕事に対する指針にもなってくれます。「面接対策として」という実利的な観点はさておいて、「自分はなぜ職業として公務員を選ぶのか」という命題を、あらためてじっくり考えてみてはいかがでしょうか。幸い試験までまだまだ時間はたっぷりありますから。